€€

4/27/2006

スコット・ド・ワシュレー来日展         いつからハゲなんだろう















ART FRONT GALLERY

映画、メメントの主人公レナードが、失われてしまう記憶を補完する為、メモをとり続けたように、スコット・ド・ワシュレー氏は事故によって保てなくなった記憶を補完する為に装置を作り続けています。"展示作品"はいわゆるアウトサイダーアートであり、発表を前提にした作品ではありません。
ワシュレー氏のような高次脳機能障害の患者さんの症状を想像することは、少なくとも僕の場合は難しい。例えば、視覚は正常でも"動き"が認知できない症状があるということを聞いたことがあります。疾病否認と言う症状は、半身の麻痺とともに、その麻痺が自分に起こったことを認めない。自分では正常に全身が動いていると認識する。そういう認知の感覚がいったいどのようなものなのか、そうでない自分には想像するのも難しいことは、ちょっと想像してみればわかると思います。記憶が保てない感覚がどのようなものなのか、それに伴う悩みや苦しみがどのようなものなのかを想像するのは難しい。それでも、実際にその障害を持った人が表出した作品を通せば、多少なりとも、その人を"より"理解することが出来るかもしれません。
そのようなプロセスは、特別なことでは無く、自分の隣にいるヒトをより理解することに繋がり、さらには自分自身をより理解することにも繋がると思う・・かな。